本日はドラッカーが伝えていた企業の存在理由とそのために目的が必要であること、マネジメントにおける事業戦略の必要性についてお伝えします。
企業の目的
企業の目的とは何でしょうか?利益をあげることだと回答する方が多いかもしれません。ただそれ自体は企業の目的ではありません。例えば、あなたは貯金や預金はしていますか?それは何の為にしているのでしょうか?
例えば、病気や事故の備え、家を購入する為に貯蓄したり、車を買い替えたり、子供の学費や老後の生活費などのためかもしれません。
また給与の寡多は自分の労働市場における市場価値を示すものかもしれません。その企業にとって、重要で代わりのいない人材であれば、他の人よりも高い賃金で雇われることになるかもしれません。
しかし給与自体が生きる目的かと言われるとそうではないでしょう。あくまでどのような生活をおくるかの手段でしかないはずです。それは家計や労働だけでなく事業を営む企業でも同じことです。
企業とマネジメント
マネジメントとは「経営」を意味します。一般的に用いられる「管理」の意味で捉えると部分的な解釈に留まってしまいます。
ではマネジメントとは何かというと、「航海」に例えてみましょう。
航海するとして「何のために」「どこに向かって」「どのようにして」「いつ出港して、いつ到着するか」などを決めるのがマネジメントです。
その一方で、そのマネジメントの一部として、予定通りに船を運航させるために、計画という「基準」との誤差を無くすように操縦するのが「コントロール」です。
上記の定義では、計画、実行、評価がマネジメントであり、実行の一手段としてコントロールがあることが分かるでしょう。
事業戦略とは何か?
ドラッカーの事業戦略を突き詰めると下記の2つの要素になります。
ドラッカーは「市場のセグメンテーション」と「市場でのポジショニング」を経営方針としている。ここで勝つという「対象の市場」を決めるのが経営方針であると言っているのです。
事業戦略に対するドラッカーの考え
大企業はともかく、中小・零細企業は、「ここ」をニッチ市場に限定しないと、どんなに成功していても、後から大企業に市場を取られてしまうでしょう。
「ここ」を決めるということは、ドラッカーのいう「顧客はだれか」を特定することでもある。絞り込めば絞り込むほど、顧客の顔が鮮明に見えてきます。そうすると、商品やサービス、流通チャネルがより的を得たものになります
次にドラッカーは「顧客は何を価値と感じるか」とも言っています。同じ商品を提供しても、その提供の仕方で買うか、買わないかが決まります。そこで顧客にとっての(価値)魅力を考える必要が出てきます。それが、これで勝つの「セールスポイント」を決めることが求められます。
事業戦略とは「対象市場」と「顧客にとっての価値」の2つを決めることで、ビジネスモデルの骨子が出来上がります。
創造する経営者とイノベーションと起業家マインド
既存の商品は古くなります。単に飽きられることもありますし、あるいは競合品によって陳腐化されてしまいます。さらには環境変化によって不要なものになってしまいます。
そうした状況に対して、既存のものをよりよく改良したり、全く違う商品や技術、仕組みを創り出したりするのがイノベーション(継続的な改善・革新)です。
なおイノベーションとは、技術的なものではなく、経済的なものを創り出すという意味です。
イノベーションとは、
新たな経済価値の創造する活動として、
・技術的イノベーション
・制度的イノベーション
・社会的イノベーション
があります。
新たな顧客を作ることや生産性を上げること、利益を生み出すことにつながることがイノベーションになります。
具体的には以下のような手法があります。
・商品の意味を変える ・新しい製法を開発する
・仕組みを変える ・新しい用途を開発する
・新しい素材を開発する ・新しい市場を開拓する
・新しい手法を開発する ・新しい仕様を開発する
まとめ
イノベーションは一朝一夕では起こすことは出来ませんが、上記のような取り組みを絶えまなくチャレンジし続けることで生み出されるものでしょう。ぜひみなさんもみじかな所からはじめてみてはいかがでしょうか。