データ分析は全体像を描く前に、とりあえずで実施して失敗してしまうことが多いです。これらのアプローチの仕方についてお伝え致します。
全体像を描くにはどのような人なら出来るのか
結論から申し上げますと、全体像を描くにはデータ分析のプロジェクト経験を十分に積んでいる人になります。
データー分析—分析結果—アクションの一連のつながりを描くことがやったことのない人には非常に難しいです。どのようにつながりを描けるようになるのか以下の事例を見ていきましょう。
実際に管理人がやってみたアプローチについて
当初、管理人は分析作業の流れに沿って、積み上げ方式で全体像を描いていました。例えば以下のような流れになります。
- 利用する「データ」を考える
- 次にデータで実施する「分析」を検討する
- 分析の「結果」を考える
- 分析結果から導き出せる「アクション」を提示する
上記アプローチでは結果的に上手くいきませんでした。やるべき分析が多くなってしまうためです。実際に後から振り返ってみると無駄な分析をしていると思える分析がありました。以下のチラシを増やすべきか減らすべきかを見ていきましょう。
失敗例についてのご紹介
手元に、エリア別の配布枚数と店舗売上データがあります。
店舗別の年間売上と年間チラシ枚数を集計し、売上とチラシ枚数の関係を分析します。
仮に、年間売上と年間チラシ枚数の間には正の相関があるという結果分析になったとします。つまりチラシ枚数が多い店舗ほど売上が大きい。この事実をどのように意思決定に活かせるだろうか。仮に負の相関(チラシ枚数が少ないほど売上が大きい)があっても、どのように意思決定をすれば良いのか分かりません。
では、日別の売上とチラシ枚数を集計し分析すればよいのでしょうか。単純に相関分析をすると、この分析も意思決定に使えないでしょう。
売上の大きい土曜日と日曜日のために金曜日にチラシを撒いていたら、チラシを撒いていない土曜日と日曜日の売上が大きく、正の相関は求められないでしょう。
そもそも相関分析で意思決定につながるものなのでしょうか。
上記のように
データー分析—分析結果—アクションの順番に考えていくと、色々な分析が検討できます。まさに片っ端から試していくという方法になります。
実際に分析してみても、全くアクションに繋がらないことも多々ありました。
有効かどうかわからない分析を五月雨式に実施することになります。時間ばかりが過ぎてしまうことになります。
ではどのようにしたら効率的にデータ分析をしてアクションにまで繋げられるのでしょうか。
改善方法についてのご紹介
結論を申し上げますと、逆算から考えるというアプローチになります。
分析目的から、
アクションー分析結果—分析—データ
のように順番を逆にすることで、無駄な分析を実施しないようにすることが可能です。非常に単純なことですが強力です。
アクションに必要な分析結果は何か、そのためにはどのような分析が必要で、そのためにはどのようなデータがあるとよいかが分かります。
多くの場合には、データは完全には揃いません。足りないデータはどのように集めることができるのか。新たに収集できないかを検討する必要があります。
売上予測を数値ではなく、好調/維持/低調の3値で出力されるようにして、その分析結果でアクションとのつながりが十分に担保されるようにすると無駄な分析をすることを防ぐことが可能になります。
逆算アプローチで、アクションに活かせる分析に絞ることが出来て、無駄な分析を減らすことが可能です。皆さんもデータ分析を求められたらアクションから逆算で考えてみましょう。